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【チャリ】チャレンジ600km
 突然のブルベ!!!

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 AJたまがわ主催、BRM606白馬木崎湖600kmに参加してまいりました。

 自分、一梨乃みなぎは、いままで600km以上走ったことがなく、最高が昨年の東京~大阪間の585kmですから、いったい600kmってどういう世界なのか……どうなってしまうのか?
 自分のロングライド力はどれくらいのものなのか? そんな興味の赴くままちょうどいい600kmブルベに申し込んだのでした。


 自転車は4月にFlecheを走った「姫」ことニローネ7のBelkinモデル。
 非常に調子よく走れたということで、基本的にそのままの仕様……しかし、サドルだけは軽量なサンマルコのコンコールを使用。
 コンコールは軽量でなかなか気に入ってるサドルなのですが、ちょっと合わないところがあって……しかし少し前に150kmほどのテストランした所、比較的ベストに近いポジションを見つけて、好感触を得ていたので実戦投入。

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 スタートは夜スタートということで、早朝の袖ヶ浦スタートとかいう、現地行くのが辛いものとはちょっと違ったものの、思いの外いろいろ手間取りクローズギリギリのスタートサインになりました。

 更には梅雨時というのもあり酷い土砂降りの中のスタート……
 一応ウェットブルベということで、ウィンドブレイカー兼のレインジャケット着て、シューズカバーも装備、6月ということで下半身は多少濡れても走ろうという感じでスタート……したのですが、スグにビタミン剤とiPhoneのスペアバッテリーをコインロッカーに忘れるというポカをやらかし、二子玉川駅まで戻り、再スタートで、一気に20分ほどのビハインド。
 いきなり最後方からの追い上げブルベになりました。


 
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PC01 44.1km地点 ファミリーマート海田岩蔵街道店

 PC01までの区間は早々と市街地を抜け、郊外の幹線道路を縫いながら走り抜けていくルート。
 路面状態も比較的よく、深夜12時スタートということで、道も非常に空いており、打ち付ける雨は厳しい物の、淡々と快調なペースで走っていきます。

 多分この区間で前走者を3人位抜いたんじゃないかな……

 PCにつくまでは、大きく遅れてスタートしたため、ほとんど走ってるランナーたちを見ることはなかったのですが、このPCで前の集団と思われるグループをなんとかキャッチ。
 とはいえ、自分もお腹が空いてたため、ドーナツとヨーグルトを補給、結局彼らから少し遅れてPCを出たため、やはり独走になってしまいましたが……

 貯金はだいたい15分位。かなり巻きの状態です。

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PC02 89.7km地点 ファミリーマート ヤマキ花園店

 ここに到着する少し前あたりから夜が開け始め、相変わらずの雨脚のまま朝を迎えました。
 一度ジャンクションをオーバーシュートするミスをしたものの、特に大きいミスもなく、前方の集団をキャッチし追い抜き再び独走状態に。
 貯金的にも多少余裕が作れただろうということで、PC前に若干ペースダウン。
 さすがにオーバーペースです。

 しかし気温が異様に低く、雨で濡れた体というのもあり、止まって休んでられないような気温です。

 なんか適当におやつを買って出発。

 
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PC03 138.8km地点 ローソン下仁田馬山店

 PC02を出発してしばらくすると雨脚が若干、気持ち弱くなり、高崎を過ぎたあたりか、富岡周辺で雨が上がりコンディションが上向きに。
 基本的に登り基調のの区間のため、淡々とマイペースで走るものの、120kmを越え、最初の疲れも出てきます……そりゃそうだ、6時間以上走ってるわけですから(汗)
 
 PC03のローソンで朝食を取り、この先下仁田から田口峠という厳しい上りに突入。
 しかし、走りだしてどうにも自転車の調子がおかしい……思うように進まないというか、重たいというか……

 その原因は雨。

 ウェットブルベということで、出走前にナスカルブで仕上げた上にフィニッシュラインのウェット用オイルをチェーンに添加してきたわけですが……
 どうやら激しい雨に加え、ブレーキダストと巻き上げる砂でチェーンのオイルが全部流れてしまうか、ダストがオイルを吸ってしまい、チェーンが硬くなってしまうトラブルに……

 なんてこった!! しばらく走っていると、キュルキュルキュル……とまるで町中のママチャリのような音が!
 
 これから峠!!

 肝心な区間だというのに……!!

 大幅なペースダウンは避けられない……ッ!!

「ああ畜生畜生……このブルベ、敗色濃厚……ッ! こんなはずじゃ……!」

 という悪態をつきながらなんとか足をつかずにチンタラと峠を登って、通過チェックの写真を撮る。
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 曇っているのは、峠で自分の体から出る蒸気のためカメラが曇ってしまったのでした。

 たまたま後ろから上ってきた他の参加者に「チェーンオイル、分けていただけないでしょうか……」とお願いし、ほんのちょっとだけ残っていたオイルを頂きました。
 完璧じゃないにしろ、なんとか危機は脱出。

 峠を下ると佐久平で、とてもよい天気でしたが、向かい風という困ったコンディションに。
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PC04 203km地点 セブンイレブン小諸水押店
 風は弱まるどころか、強烈な向かい風になり、ここから善光寺までの国道18号線の向かい風は、ランドヌールたちを苦しめることになりました。

 自分もなかなか思うようにスピードの乗らない自転車を走らせましたが、いつの間にか、計ったわけでもなく、前と後ろに一人づつの3人の集団に……するといつの間にか一人が先頭を引き、二人が後ろにピタリつけるトレイン状態に。

 定期的に自分も含めた3人は先頭交代のローテーションを始め、まさにジェットストリームアタックで国道18号を行くことになったのです!!

 この作戦は功を奏し、あまり体力を使わずにこのPC05までの区間で、多くの貯金を作ることが出来ました。

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PC05 258.3km地点 ローソン長野善光寺下店
 ここでやっと中間地点、しかし自転車は多少注油したとはいえ、チェーンの油は少ない状態であまり良好なコンディションではありません。
 体力的にも田口峠で随分使ってしまい、先行きは不安な状態に……
 まして、この善光寺から先、PC06までに向かう区間は、このブルベで最も険しいと思われる区間。峰方峠と秘境である旧鬼無里村を走るというのに……
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 鬼無里までに向かう道はこんなかんじの、本当に人里離れた山に分け入っていくような道。
 疲労や自転車の不調から、少し気分は沈みがちですが、やはりこういう道を進んでいく感じは、自転車旅ならではの物があっていいものですね。

 鬼無里の集落は一言で言えばとても「にゃんぱす」でした。

 鬼無里から白馬に通じる嶺方峠越えも淡々としたペースでクリア。
 昨年あった地震の震源近くということで、道は半分崩落してたり、ダート区間あり、裂け目ありと、特に下り区間は酷い路面状況でしたが、ちょうど今年の冬にMTBダウンヒル遊びをしたということもあり、あの時の感覚を思い出し、エイヤーッと気合のダウンヒル。
 特にリスクを負うこともなく、快調なペースで下り、なんとか夕暮れ前にはPC06にたどり着きました。

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PC06 305.3km地点 ローソン白馬神城店
 ようやく中間地点、ここの地点で貯金は約3時間半。
 なかなかに順調なペースではあるんですが、さすがに鬼無里周辺の道でかなり体力を使ってしまい、ずっしりと疲労が……
 しかし、木崎湖の中間有人チェックまであと少しということで、気持ちを奮い立たせてリスタート。

 わずか15km弱ほどの距離なので、ちょっと走れば到着できるかと思ったのですが……

 なんとここで、痛恨のミスコース!! 曲がる交差点を一つ間違えてしまい、かなり走ってから気づくことに……結局このミスで2時間弱ほどのタイムロス。
 更には道の振動でウィンドブレイカーや輪行バッグを積んでいたサドルマウントを折ってしまい、更にはそれの応急処置でも遅れてしまいました。

 結局この15kmほど先の有人チェックまで2時間半以上かかってしまい、大幅なタイムロス。
 更にはそのチェックポイントで、折れてしまったサドルマウントのリビルドする作業を30分ほどやり、ちょっと手前にあったPCでは3時間半あった貯金をほとんど吐き出してしまう自体に……

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 結局、このミスコースと、サドルマウントのトラブルが、今回のブルベの致命傷になってしまいました。
 モチベーションを大きく失ってしまい、加えてサドルマウントの修復のため、長く足を止めてしまい、その間に足の筋肉が冷えて、動かなくなってしまったのでした。

 木崎湖の有人チェックを出たあと、ライトを点灯させ次のPCである松本まで走り始めたものの、眠気に疲労も色濃く、果たして自分はどこまで走るのかという状態。
 いつ、どこでリタイアするのかという気持ちになっていきました。

 途中何度か眠気に襲われ、コンビニで立ち止まり少しウトウトしようかと思うものの、周辺一帯の大町、安曇野の気温は10度を下回る冷え込み。
 とてもではないですが寝れるような環境ではありませんでした。

 まさかこんなに寒いとは……

PC07 371.3km地点 ローソン松本流通団地南店
 なんとかPCに辿り着いたものの、ほとほとに疲労困憊しており、まとまった休みを取らないと苦しい状態に。
 かと言って、時間的な余裕も殆どなく、貯金はわずか20分ほど。
 どうするか、走るか、やめるか……コーヒーを飲みながら、自分はへたり込んでしまいました。

 時計を見れば深夜12時をまわり、ここでリタイアしてもどうしようもないので、とにかく行けるところまで走ってみようとほぼ最下位ポジションで戦線復帰。
 身を捩りながら塩尻峠を越え、辰野へ、諏訪湖畔を走っているあたりで、空が薄明るくなっていきました。

 見れば最下位に近いところを走っているつもりだった自分でしたが、ところどころのコンビニ前では、疲労で倒れこんで休憩している仲間の姿も……時々すれ違ったり、一緒になったランドヌールたちとは力なく労いつつ会釈。

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 結局朝が明ける午前6時まで走るものの、富士見峠を超えたあたりで、疲労困憊が著しくリタイヤ決定。
 富士見峠は大した上りではないのですが、本当に足が動かず、加えて合わないサドルによる尻の痛みもあり、思うように動けなくなってしまい、主催の方へと連絡を告げました。
 走行距離にすると、だいたい430km地点くらいでしょうか。

 途中、小淵沢駅から輪行をすることにしました。
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 リタイアを告げたあと、自転車を袋にまとめて、最初に食べたのは小淵沢駅のえきそば。
 いやぁ、本当に美味かった……


・走れなかった敗因としては――
 気温が想像以上に上がらず、夏用のボトムスでは冷えてしまい、下半身の筋肉が固まってしまったこと、または雨で体力を失ってしまった。

 サドルが合わず尻がとにかく痛い。

 休もうとしても気温が低く十分休む場所が得られなかったということ。

 サドルマウントの破損や、チェーンオイル切れ、ライトマウントの緩みなどのマイナートラブルが多く、加えてミスコースで精神的にも参ってしまったということ。


 リタイアは悔しいというよりも、なんとも言いがたいモヤモヤとした気持ち。
 全力で動けなくなるくらいまで走ったわけで、不思議と悔しさはないものの、もっと出来たことがあったんじゃないかと反省。

 以前400kmブルベに出た時は満身創痍ながらゴール出来たのだけど、その時よりも今回のリタイアはなにか自分の中で強い印象を残すものになりました。

 幸い2週間後には400kmブルベ、今度こそはスウィープな走りをするぞと、特急あずさで帰ったのでした。
by minagi_ichirino | 2015-07-06 03:14 | Bianchista
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