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【チャリ】獲得標高4000mからの挑戦状~Attack!299
 Attack!299に参加してまいりました。

 先週のバーニングマンに続いて2週連続の自転車イベントです。
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 Attack299とはなんぞというと、飯能市役所をスタートして、基本R299(正丸峠区間は交通量多いので、そこだけ県道57を使用)をひた走り、山伏峠(標高680m)>志賀坂峠(標高780m)>十石峠(標高1351m)>麦草峠(標高2120m)上り、長野県茅野市に至ってゴールするというロングライドTTイベント。


 内容を聞くだけでゲロが出そうな、走行距離157km獲得標高4000mというコースプロフィール。


 以前から参加したいなと思っては居たんですが、毎年コミケの追い込みとカブってしまうので、遠慮してたんですが、今年こそはと決断的エントリー。

 チェックポイントのクローズ時刻はそのままに、スタート順で走力差を分けるウェーブスタートなのですが、深く考えずに「グロス20km/hで走りゃ8時間でゴールできるし、5時スタートでいいでしょ」という感じで、軽率に最終ウェーブでのエントリー。


……しかし4000mも登るというのは、エントリーしてから気付いたというオチ……


 しかも山頂ゴールだから、下りでグロスタイム稼げない!


 マジでこれ走りきれるのか?


 Attack!299はブルベではなく、あくまでもロングライドイベント。
 充実したエイドではなく、あくまでもアタックなので、タイムトライアルムードで頑張ってみてください(もちろん安全運転でね!)とのこと。

 サポートカーOKということで……いずれにしてもスタートするには、時間や装備的にレンタカーを借りないといけなかったのもあり、そのレンタカーの代金分で幼なじみであり悪友のハムを雇い――


「お前自転車わかんないだろうけど、とにかくサポートしろよ」


――とペラペラの千円冊15枚でビンタして雇い、彼の車にBCAAとメダリストを溶かした飲料満載したクーラーボックスと工具や補修部品類、衣類やエイド類を積み込みサポートカー登録。


 当日合流した時に、何箇所か補給ポイントやチェックポイントの通過予定時刻や、サポートカーのルートを彼に渡して、軽く打ち合わせ。

 スタート前にヘルメットを忘れかけて引き返すという、愚かなことをしでかすものの、なんとか会場にはそれなりに余裕を持って到着できました。


 自転車はオルトレ。


 基本的にバーニングマンと同じ仕様だけど、スプロケを山用に11-28Tに交換し(チェンリングは52-36)通行するR299十石峠は、酷道なのでガレ場や落石もあるだろうということで、ヒルクライム&レース用のCSTコレーレCLXXから、パンクに強いIRCのアスピートDRY24Cにチェンジ。


 ライトはブルベではないので、Knogの本当に小さい最低限にもののみ前後に装備。

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 やや明るくなった午前五時に飯能市役所駐車場を、足自慢の25人どもに混じってスタートしていきました。

 当たり前だけどブルベと違い、いきなり速い!
 飯能市街をぬけ、山伏峠に向かう間、25人のペロトンになって35~40kmの巡航ペース。
 レースペースの強度ではないけれど……


 この先4000mも登るんだぜ?


 おいおいマジかよ……5時スタートとかマジで健脚しかいないじゃん、なんで俺は5時スタートとかにしちまったんだ!!

 最初の峠で集団は崩壊するだろうけど、でも最初の峠くらいはグルペットではなくメイン集団でこなしたいな……とそれなりに頑張って集団の中ごろで過ごす。

 スタートして25kmほど行くと山伏峠に
 数人がアタックして先行するのが見えたけど、マイペースに走り、前から落ちてくる遅い人を何人か料理し、だいたい足がそれなりに合いそうな大きいグループが出来上がり、そこの後ろにつく。


 ペースは悪くない、頑張らずに淡々と、フォームを意識し丁寧に行こう、弱音ははかない!!

 終盤ややキツかったけど、なんとはナシに10人ほどのグループで山伏峠をクリア。


 そこを下ると秩父市街に入っていくのだけど、まーびっくりするくらいみんな下りが速い。

 マジかよ……ってペースでみんな下っていく。


 のぼりよりもくだりでちぎられそうになる。
 こっちもトップギア11Tで踏み倒してるけど、集団の尻尾を捉えるので手一杯。
 おいおいどんだけワット出てるんだよ、というか、下りでこんなに踏んだら対向車いるかも知れねえのにあぶねえだろ!!
 
 なんとか10人ほどのグループで秩父市街を抜けるものの、その後の平地区間でちょっとオーバーペースと判断、ややペースをゆるめて集団から脱落し、最初の補給ポイントの志賀坂峠手前のコンビニに滑りこむ。


 待っていたサポートカーに乗せていたクーラーボックスより、飲み干したボトルに補給、BCAAとプロテインで筋肉のダメージを補い10分弱で復帰。

 志賀坂峠は手前あたりから雨が軽く振り、どうなるかなと思ったもののあまり振られずにクリア。
 3時台や4時台にスタートした遅い人を、このへんでキャッチして追い抜いていく。
 前日に仕事で痛めた腰が気になるけど、概ね問題なく、脚の具合も峠を2つ越えた割には調子はいい。
 
 十石峠の手前、95km地点の上野村のチェックポイントには、目標タイムより30分弱ほど早めに到着。

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 ここでも前回と同じような補給内容と、腰をいたわるために少しストレッチ、便所にも行き、10分ほどで戦線復帰。

 十国峠は距離も長くそもそも道も、国道というより林道レベルに細く、落石も多く注意深くリズムを刻んで登っていく。
 途中何度か、雲が通り過ぎるたびにザッと雨にふられたりしつつ、山深くを走りここも何事も無くクリア。


(アイフォーンの電池が切れ、Stravaのデータは十石峠の途中で切れてしまいました……)


 この十石峠で相当数の4時台、3時台の人を抜きまくったので、ペース的にはかなり良さそうだ。

 十石峠の下りは序盤は道も細く、しかも前回のブルベでまさかの対向車と正面衝突してるだけに、かなり注意深くコーナリング……していると、やはり速いグループが追い付いてきて先行される。


 こちらも下りに苦手意識もあるわけではないので、なんとか付いていこうと、集団の後方につける。

 カーブはまぁOK、ヘアピンやガレてるところの走りは自分もいいけど、どんだけ踏んでるんだってくらい、下りの直線がみんな下ハン握って鬼速い……自分のデータと照らし合わせると、多分下りで80km/hちょっとくらい、走れる人はみんな出してる、なんだよあの速さは、正気かよ!!


 ホイールか?! ホイールなのか!?


 みんな30~50mmのカーボンディープ履いてるから、下りで80km超えるくらい鬼速いのか??


 こちらもエアロに優れるIRCアスピートに、のむラボでファインチューンしてもらったアメクラの30mmハイトなんだがな……!

 十石峠を下ってくると最終補給ポイントの、佐久穂町のチェックポイントに。


 ここも予定よりも30分程度速いペースだ。


 天気もピーカン晴れになり、日焼け止めを塗り、最後の麦草峠に向けておにぎりとウィダーを補給。
 ボトルも少し大きめのものに変えて、電解質パウダーとソルティライチを合わせた大味なスペシャルドリンクに交換。

 長い下りが多く、上半身や腰にダメージがあり、ストレッチしたりサポートカーで横になったりして、結局30分弱ほど停車してリスタート。


 すぐに麦草峠に差し掛かると、最初の300mほどで足が思うように回らないことに気づく。
 補給を一気に取り過ぎたか?
 水を飲み過ぎたか?
 足そのものというより、お腹に力が入らない。


 26kmもある長い長いのぼりなので、遅いなら遅いなりに「馬なり」に走るしか無い。

 今まで抜いていった人に追いつかれ、抜かされるが、仕方ないと割り切り、自分の走りに集中してピークを目指す。


「周囲に惑わされるな!」


 かつてダン・ガーニーも、戦闘力が劣るマシンでデイトナを走るチーム員に、そう激を飛ばしていたなと思い出す。

 麦草峠の序盤、10%前後あるんじゃなかろうかという区間をなんとか足をつかずにやり過ごし、八千穂高原スキー場を過ぎたあたりからか、やや緩い勾配に。
 その辺りからリズムがとれてきたか、少し足が回るようになり、ややペースを上げて進んでいくと、残り10km切ったあたりで右足がとうとう攣ってしまい、ダメージを避けるため痙攣し始める前に、あえなく停車してストレッチ。


 攣ってしまったのは右足の膝の上あたりの大腿四頭筋。
 おかしい、水分もずいぶん摂ってるし、足つり防止のタブレットも食べてたはず……限界を超えてるのか??


 数分停車し、念のための補給をした後、恐る恐る出発。
 あともう10kmは切っているはず、看板には標高1800mの数字が見える。
 しかし、走りだして10分位すると今度は、左足の大腿四頭筋が攣ってしまった……再び停車してストレッチして、持っていたタブレットを全部のみこみ、ボトルも空にする。


 あとちょっと、こんなところで止まってる訳にはいかない……

 数分停車した後走り始めると、少し上空に雲がかぶさってきて今度は大粒の雨が降ってくる。
 停車して体温が落ちてしまった体に、標高2000m弱の土砂降りは相当にしばれる。
 顔をしかめながら登っていると、今度は左足のハムストリングが攣り始めてしまう。

 再び停車して、ストレッチするものの、食べられるもの、飲めるものは全部消費してしまい、もう打つ手が無い……

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 この時になって初めて「足が終わっている」という状況に気づく。


 補給はやや乱暴だったけど、まぁOK、走るエネルギーはある。
 しかし足に力を入れると筋肉がすぐに引きつってしまう。 気づけば尻の下の筋肉(大殿筋?)が両側ともダメージが有り、尻を揉むとかなり痛い。
 少し自転車を押して歩いてみるものの、歩いて辿り着くほどの距離じゃない。
 あと200mくらい登らないと行けないはずだ。


 走るしか無い。


 再びオルトレにまたがり、恐る恐るペダルを回す。
 とにかくブルベで使っているあらゆるペダリングを尽くし、丁寧に、丁寧に、インナーローで足に力を入れ過ぎないように、ペダルを回していく。
 エネルギーはあるから、走ってしまえばそんなにペースは悪くない。
 停車していた時に抜かれた人を何人か抜き返すけれど、足はいつまた痙攣して、動かなくなるかわからない。

 頼む!最後まで持ってくれ!!

 ハンドルを引きつけてみたり、押してみたり、ダンシングして体重でペダルを回したり、上体を起こしたり倒したり……
 
 一端は止んでいた雨も、白駒池の案内が見える辺りで再び土砂降りになり、猛烈な寒さに震えながら進んでいくと、自分の前を走っていたライダーが「あと、そこを曲がって上ればピークのはずですよ!」と教えてくれた。


 あとせいぜい2~300mで平地か下りのはず……そう思い、なんとかダンシングでスパートを掛ける。
 たとえ、ここで足が攣っても、押してゴールできるはずだ。

 カーブを曲がってやや登ると、雨が急激に弱くなり、その向こうにカメラを構えているスタッフが見えた。
 峠のピークだ!!


 思わず天を仰ぐパンターニのポーズで、カメラに応えて麦草峠を通過!!


 あと数キロ下ればゴールだ。
 
 麦草峠の茅野側の路面はドライで、やや雲が多いものの晴れ間も見える。
 思ったよりも長い下りを走り、無事にゴール受付に……

 結果は8時間35分。

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 25人がスタートした5時台の人の中では13番目のタイムでした。


 目標は8時間ちょっとほどのタイムだったので、概ね想定内のペースではしれたかなということでまぁ満足。
 しかし、麦草峠があまりにグダグダで……せめて足をつかず、淡々と行ければと思ったけれど、3回も止まって足をついてしまった。
 峠で足をついてしまったのは、2年前の喜多方600kmの箕輪でハンガーノック起こして以来で本当に久しぶり。

 補給ももうちょっと手早くして、麦草峠もいい感じに走れれば7時間台はまずは入れるはず……

 ゴール後は手伝ってくれた友人と握手して、施設のシャワー室を借りて着替え。


「200kmはレジャー」とはよく話すけれど、今回の160kmは本当にボロボロになりました。こんなにダメージ受けたロングライド本当に久しぶり。
 ゴールしてしばらく、体がばらばらになるくらいダルくて辛かった……

 下りも含めて、峠や坂道はもっと走る練習しないとダメだなと思いました。


 帰りは友人とそのまま甲州街道でのんびり帰宅。
 自転車やロードレースを全然知らない彼は、こう言うブルベ的なイベントを初めて見たわけですが、ゴールしたあとに自分にこう言いました。


「今日はじめて知ったけど、お前って、結構速いんだな」


by minagi_ichirino | 2017-08-07 00:52 | Bianchista
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